最近では男性が育児に参加することが珍しくなくなってきました。
女性がバリバリと外で働く機会も増え、共働きも当たり前になってきましたしね。
さらにコロナで在宅勤務の方も増えて、男性が益々育児に参加しやすい環境が整ってきました。
そんな中で、私は気になることがあるのです。
『男性は育児に参加すべきだ!』という言葉が多くなってきたように思えるのです。
女性側から発信されていることが多かったのですが、最近では育児を経験した男性からの発信が目立つようになりました。
男性が育児に参加することの良さがより多くの方に認められた結果だと思えば、これはいいことだと思います。
しかし考えてもみてください。
『誰にとっても絶対にいいこと』なんて、世の中にあると思いますか?
男性が育児に参加すること、これについてももちろん弊害があるのです。
例えば私の元旦那さん。彼は育児にとても積極的でした。
でも結論、娘が生まれてから、すぐに離婚しました。
何が弊害となったのか、お話したいと思います。
いいことがいっぱいあるのは事実!
パパが育児に積極的に参加してくれることに対して、弊害があるとは言いましたが、もちろんいいこともいっぱいありますよ!
初めての出産は不安がいっぱい…しかも買い物や新生児を迎える環境作り等やらなきゃいけないこともいっぱいなのです。
私の元旦那さんは、出産予定日の1ヶ月前から有給休暇をあてておやすみを取り、生まれてから育児休暇を申請する方法を取って、産前の準備からしっかり一緒にやってくれました。(男性の育児休暇は子どもが生まれるまで申請することができないので、産前から休むには、有給休暇と両方使う必要があります。)
これはほんとよかったです!陣痛はいつ来るかわかりません。お風呂に入ってるときかもしれないし、電車に乗ってるときかもしれない。危険な状況のときに突然身動きが取れなくなることだってあります。
そんな時に信頼できる人がずっとそばにいてくれたのは、本当に心強かったです。
また、もしパパが仕事をしているときに陣痛が来てしまうと、陣痛の連絡を受けてから病院に行くので、出産の立会いに間に合わなかったという話も聞きます。しかしうちの元旦那さんはずっと一緒にいてくれたので、立会に間に合わなくなるかもという心配もありませんでした。
新生児期も、たいへんだと聞いていましたが、うちはそこまで苦労しませんでした。
なぜなら、産前に、夫婦二人でしっかりシミュレーションをして、準備万端で臨んだからです。
沐浴をどこでどうやってやるか、導線と役割の確認。赤ちゃんが普段過ごす場所について、どこでどうやって寝かせるか。授乳時のミルクを誰がどのタイミングで準備するか。
たくさんたくさん一緒に考えて、お買い物も一緒に行って…二人できちんと漏れなくしっかり話し合えていたので、困ることなどほとんどありませんでした。
唯一予定通りにならなかったのは、元旦那さんが夜中に起きてしまうことがキツイと言って、夜のお世話をまったくできないどころか、寝室も別々にしたということくらいですw ですがその分、昼間は家事全般をしっかりこなしてくれましたので、私は何の心配もなく出産の体力回復に専念することができました。
これだけの話を聞けば、とってもとってもいいパパさんじゃないか!なんで離婚したんだ!と思いますよね?
離婚したきっかけは育児ではありませんし、原因は下記に限らずたくさんあります。(別れる理由なんてひとつじゃないもんでしょ?)
今回は、離婚に至らないにしても、男性が育児に参加することによって、だれもが受ける影響について、お話したいと思います。
男性が育児に参加することの落とし穴
妊娠中から産後1~2年くらい、ママのホルモンバランスはとっても乱れます。
毎月の生理でも女性の感情が荒れると聞いたことがありますか?生理でホルモンバランスが崩れると、女性は怪獣化します。
では産前産後はどうなるかというと怪物化します。
産前の親子教室でプレパパさんに向けて助産師さんはこう言っていました。
「どんな姿になっても紛れもなくあなたの愛する奥さんです。しっかり支えてあげてください。」
ほんとにこれは全国に届けたい言葉だと思いました。
それくらいホルモンバランスの崩れというのは影響するのです。
しかし、今回注目していただきたいのはパパのほうです。
私がこれを体験するまでは『ママはたいへんだからパパに支えてほしい』と思っていましたが、実はパパにも影響があったのです。
赤ちゃんって可愛いですよね。特に授乳しているとき。
元旦那さんも哺乳瓶でミルクをあげている時間が、本当に穏やかで幸せな時間だと言っていました。
しかしこの『幸せな時間』に落とし穴があったんです。
なんと、授乳をすればするほど、男性ホルモンであるテストステロンは減少していくというのです!
そりゃそうですよね。授乳による幸せな時間は母性によるもの。男性ホルモンとは相反します。
本来男性が多く持っているはずのホルモンが減少するということは、ホルモンバランスが崩れることにつながります。
つまりママに起きていると懸念していたことはパパにも起きていたのです!
テストステロンが減少するとどうなるか、うちを例にお話します。
①働くなくなった。
テストステロンには、冒険心、競争心、チャレンジ精神 等の気持ちを高める効果があります。テストステロンが減少するということは、これらが減少するということ。
元旦那さんは、「仕事をやめたい」と言い出しました。元々自由を好み、サラリーが向いてない人でもありましたし、長期のお休みを取得して戻りたくなくなったという気持ちが出たことも原因としてあると思います。
しかし、テストステロンの減少がまったく影響なかったかというと、そんなことはないと思います。
『このまま娘との穏やかな時間を継続したい』という気持ちを、テストステロンの減少が後押ししたのだろうと考えています。
②セックスレスになった。
テストステロンが減少すると、性機能障害、気分障害、筋肉量の低下 等を招きます。
産後半年もすれば、セックスしてもいいとお医者さんには言われていましたが、私が求めても、まったく相手にしてくれなくなりました。
産後のセックスレスについては、奥さんが「オンナではなくお母さんになってしまった」「色気がなくなった」なんて話も聞きますが、色気がなくなったからと言って、全く性欲がなくなるなんて、産前でもありえましたでしょうか。
テストステロンの減少による性機能障害や気分障害が影響したと考えられますし、さらに筋肉量が低下して体力がなくなって、よりやる気がなくなってしまったと考えられます。
男性がセックスをするためには、テストステロンは大事な要素なのです。
③しょーもないケンカが増えた。
出産前からケンカはありましたが、産後のほうが内容や頻度がひどかったです。ほんとにくだらない内容で怒鳴りあったり、物を投げられたり、暴言も増え…とにかく酷かったです。
うちは育児をするようになってから、寝る部屋も別々、食事も別々だったので、コミュニケーションを取ることもまともにできず、悪化する一方でした。その上で、気分障害があったり、疲労が溜まっていたりしたのです。
思いやりもわかなくなりますし、そりゃケンカにもなりますよね…
しょーもないケンカくらいで離婚にまで至るの?
確かに今回お話したこと以外にも離婚の理由はあります。
でも産後のケンカというのは、双方にとても深いキズを作ります。
離婚していない夫婦でも、一生言われ続けると聞きます。
周りから見たり、あとから思い返したときには『しょーもなかった』と言えるけれど、当事者にとっては、どうしようもないと思えるくらい、とても深刻なことになってしまうこともあります。
『ホルモンバランスの乱れ』というコントロールのできない出来事の影響は大きいと思います。
避けられないものなの?
もちろん、食生活や、睡眠のリズム等を整えることでホルモンバランスの乱れを抑えることもできますよ。しかし、産後の忙しい時期にそこまでできるかというととても難しいです。
じゃぁどうするか。
『難しい』と言いましたが、これは『夫婦二人だけでは難しい』という意味です。
子育てを夫婦だけの問題として抱え込ませるのではなく、親戚や友人、地域の人たちで助け合っていけたらいいなって思います。
まとめ
冒頭で『男性は育児に参加すべきだ!』という言葉が多くなってきた とお話しましたね。
私はこの言葉はあまり好きではありません。
ここまでお話した通り、弊害だってないわけではありませんし、パパが育児に参加できるかどうか、それぞれのご家庭の環境にもよります。
男性が育児に参加することを『こうあるべき』と押し付けるのではなく、その人たちやその環境にあった方法を一緒に考えてあげられるような世の中になってほしいなと思います。
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